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まんが、あにめ話中心です。腐ってます。
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はい、2時間みっちりワードと向かい合って来ました。
目が痛い。

せっかく骸の誕生日なので、なにか・・・・
と思っていたのに、結局、(もごもごもごもご)


少し前から暖めていたネタなのですが、
こんな結果になりました。


というわけで、
つたない文章ですが
楽しんで頂ければ幸いです。
本編は追記の中に

chasing rainbow









あいつは、絶対に手の届かない物を追いかけている。
俺は、そう思う。
まるで、虹を追いかける旅人のようだ。

「あ、ツナ、雨も上がったみてーだし、部活寄ってくから、先に帰るな。」
「うん、じゃあね。」
補習中に突然降り出した雨は、終わる頃にはすっかり上がっていた。
山本と二人の補習。獄寺君は休んでいたので、帰りは一人だな。
教科書やノートをまとめながら、ふと窓の方に目をやると、
とぎれとぎれの雲の上に、大きな虹が架かっている。
緩やかなアーチは、何を繋いでいるんだろう。
そう言えば、“アルコバレーノ”は“虹”っていう意味だよな。
ただの光のいたずらだと知ってはいても、はかない美しさは、どこか心の奥に響く物がある。
荷物をまとめて教室を出る。
廊下を歩く音が、いつもより湿り気を帯びている。
「あ、」
階段を下りようと、曲がったところで、階段を上がってきたヒバリさんと鉢合わせになった。
「今日は群れていないんだね。」
ふ、と息を漏らすようにヒバリさんは言葉を出した。
「は、はい、今日は補習で、山本も、部活に行ったので。」
「ふーん」
今日のヒバリさんは機嫌がいいみたいでほっとする。
虫の居所が悪ければ、言葉無しに咬み殺しにかかってくるはずだから。

窓の向こうに虹が見えた。

「ヒバリさん、絶対手に入れられない物を追いかけるって、どんな意味があると思います?」
俺は、そんな言葉が口から出るとは思わなかった。
どうしてヒバリさんに向かって言ってしまったのかも分からない。
「それは、夢とか望みとか、そういうたぐいのこと?」
「あ、はい・・・たぶん」
ヒバリさんは3段、階段を上がって、俺の横に立った。
ヒバリさんだけが持つ、威圧感と魅力。
今にも殴りかかって来るんじゃないかと思う、殺気。
「さあ、僕にはそんなもの必要ないから分からないけど。
必要な人にとっては、それがないと、生きられないんじゃないかな。
だから、たやすく手にはいるようなものじゃだめだということだろう?
手に入ってしまったら、そこで終わるからね。」
ヒバリさんが答えるとは思っていなかったので、俺は驚いてしまった。
次の言葉にもう一度驚くことになるのだけど。
「僕の前で、あの男のこと考えないでね。今日は見逃してあげるけど、次は咬み殺すから。」
チャと金属の音がして、ヒバリさんの手元でトンファーが光る。
「え?」
思わぬ言葉にはっとする。

俺は、骸のことを考えていたのか。

ふわと学ランに風をはらませて、ヒバリさんは階段を上がっていった。
気配が遠ざかるまで、俺はぼんやりと立っていた。





ゆるゆると、夢の縁を巡っていた指先が、そっと俺の唇に触れる。優しく狂おしく。
なんだろう、この感じ。
女性とも男性とも区別のつかない、細くなめらかな指先は、
何度も何度も俺の唇を行ったり来たりする。
何をしているんだ?
俺は、夢を見ているのか?
やめる気配のない手を、振り払おうとした俺の腕は、思わぬ強い力で押さえつけられた。
「クフフ。来てあげましたよ。あなたのために。」
「む、骸!」
がばっと起きあがる。でも、あたりに現実味がない。やっぱり夢なのか?ここは。
骸が俺の足にまたがっている。思わぬ近さに身の危険を感じる。
心臓がなる。片手は押さえつけられたままだ。
「僕のこと、考えすぎですよ、あなたは。君の夢に呼び寄せられてしまったじゃないですか。」
「お、れ、が、呼び寄せたって、どういう事だよ。」
「クハハ、僕のこと、考えていたでしょう、ずっと。
その意識を僕が感じ取ったと言うことですよ。」
ヒバリさんの言葉を思い出す。

「あの男のこと、考えないでね。」

逆効果だよ、と思う。
あの言葉と、俺の問いへの答えは、骸のことを考えさせるのに十分だった。
届かない夢を追いかけていないと、この世界に存在する意味が無いんだよ。
自分の意志とは関係なく、自分という個を維持したまま、
繰り返し世界に産み落とされる苦痛を和らげるために必要な理由。
それが必要なんだよ。
骸の行動は、無言でそれを語っているようにも思える。
「もう、ちゃちな理由は必要ないですよ。沢田綱吉。」
骸が俺の心を読んだように言う。
「君を手に入れるという、目標が出来ましたからね。」
クフフフフ。
骸が笑う。
ぺろりと俺の首をなめる。
「どういう意味だよそれ!うわっ、やめろ!!」
押さえつけられていない方の手で骸を振り払おうとして、気がつく。
何かに空いているはずの腕を握られている。
でも、骸じゃない。
骨張って大きくて整った、きれいな手。
「ねえ、ここ、どこ?なんで君がいるの?」
「ひ、ヒバリさん?」
浮かび上がる姿は、夢の中なのにいつもの学ラン。
「クハハハ、もう一人、僕のことを考え過ぎている人間がいたみたいですね。
それとも、沢田綱吉のことを考えていたのでしょうか?」
骸が高らかに、いじわるに笑う。
「沢田綱吉。ここでは契約は成立しません。夢の中ですからね。
近いうちに、現実の世界でお会いしましょう。」
押さえつけられていた手が離される。
「さあ、雲雀恭弥、一戦交えますか。良い暇つぶしにはなりそうです。」
「どこでもいいや。君がかみ殺せるならね。」
「え、ええ?ヒバリさん!、骸!」

ぐほっ

俺の意識はそこで急に現実に引き戻された。
目を開くと、腹の上に重たい一発を決めた、リボーンが見えた。
「夜中にうるせえぞ。」
どうやら、うなされて声を上げていたらしい。
こんなの、うなされもするよ。
ため息が出る。
骸の本当の気持ちは、夢の向こうに持って行かれたままだ。
それにしても・・・・

ヒバリさんが握っていた方の手には、何故かうっすらと跡がついている。
自分で握っていたのではない。跡は俺の手より一回り大きいのだ。

それを見て俺は、不安で、そのくせ穏やかな気持ちがするのを不思議に思った。

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