まんが、あにめ話中心です。腐ってます。
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
はい、2時間みっちりワードと向かい合って来ました。
目が痛い。 せっかく骸の誕生日なので、なにか・・・・ と思っていたのに、結局、(もごもごもごもご) 少し前から暖めていたネタなのですが、 こんな結果になりました。 というわけで、 つたない文章ですが 楽しんで頂ければ幸いです。 本編は追記の中に chasing rainbow ↓ ↓ あいつは、絶対に手の届かない物を追いかけている。 俺は、そう思う。 まるで、虹を追いかける旅人のようだ。 「あ、ツナ、雨も上がったみてーだし、部活寄ってくから、先に帰るな。」 「うん、じゃあね。」 補習中に突然降り出した雨は、終わる頃にはすっかり上がっていた。 山本と二人の補習。獄寺君は休んでいたので、帰りは一人だな。 教科書やノートをまとめながら、ふと窓の方に目をやると、 とぎれとぎれの雲の上に、大きな虹が架かっている。 緩やかなアーチは、何を繋いでいるんだろう。 そう言えば、“アルコバレーノ”は“虹”っていう意味だよな。 ただの光のいたずらだと知ってはいても、はかない美しさは、どこか心の奥に響く物がある。 荷物をまとめて教室を出る。 廊下を歩く音が、いつもより湿り気を帯びている。 「あ、」 階段を下りようと、曲がったところで、階段を上がってきたヒバリさんと鉢合わせになった。 「今日は群れていないんだね。」 ふ、と息を漏らすようにヒバリさんは言葉を出した。 「は、はい、今日は補習で、山本も、部活に行ったので。」 「ふーん」 今日のヒバリさんは機嫌がいいみたいでほっとする。 虫の居所が悪ければ、言葉無しに咬み殺しにかかってくるはずだから。 窓の向こうに虹が見えた。 「ヒバリさん、絶対手に入れられない物を追いかけるって、どんな意味があると思います?」 俺は、そんな言葉が口から出るとは思わなかった。 どうしてヒバリさんに向かって言ってしまったのかも分からない。 「それは、夢とか望みとか、そういうたぐいのこと?」 「あ、はい・・・たぶん」 ヒバリさんは3段、階段を上がって、俺の横に立った。 ヒバリさんだけが持つ、威圧感と魅力。 今にも殴りかかって来るんじゃないかと思う、殺気。 「さあ、僕にはそんなもの必要ないから分からないけど。 必要な人にとっては、それがないと、生きられないんじゃないかな。 だから、たやすく手にはいるようなものじゃだめだということだろう? 手に入ってしまったら、そこで終わるからね。」 ヒバリさんが答えるとは思っていなかったので、俺は驚いてしまった。 次の言葉にもう一度驚くことになるのだけど。 「僕の前で、あの男のこと考えないでね。今日は見逃してあげるけど、次は咬み殺すから。」 チャと金属の音がして、ヒバリさんの手元でトンファーが光る。 「え?」 思わぬ言葉にはっとする。 俺は、骸のことを考えていたのか。 ふわと学ランに風をはらませて、ヒバリさんは階段を上がっていった。 気配が遠ざかるまで、俺はぼんやりと立っていた。 ゆるゆると、夢の縁を巡っていた指先が、そっと俺の唇に触れる。優しく狂おしく。 なんだろう、この感じ。 女性とも男性とも区別のつかない、細くなめらかな指先は、 何度も何度も俺の唇を行ったり来たりする。 何をしているんだ? 俺は、夢を見ているのか? やめる気配のない手を、振り払おうとした俺の腕は、思わぬ強い力で押さえつけられた。 「クフフ。来てあげましたよ。あなたのために。」 「む、骸!」 がばっと起きあがる。でも、あたりに現実味がない。やっぱり夢なのか?ここは。 骸が俺の足にまたがっている。思わぬ近さに身の危険を感じる。 心臓がなる。片手は押さえつけられたままだ。 「僕のこと、考えすぎですよ、あなたは。君の夢に呼び寄せられてしまったじゃないですか。」 「お、れ、が、呼び寄せたって、どういう事だよ。」 「クハハ、僕のこと、考えていたでしょう、ずっと。 その意識を僕が感じ取ったと言うことですよ。」 ヒバリさんの言葉を思い出す。 「あの男のこと、考えないでね。」 逆効果だよ、と思う。 あの言葉と、俺の問いへの答えは、骸のことを考えさせるのに十分だった。 届かない夢を追いかけていないと、この世界に存在する意味が無いんだよ。 自分の意志とは関係なく、自分という個を維持したまま、 繰り返し世界に産み落とされる苦痛を和らげるために必要な理由。 それが必要なんだよ。 骸の行動は、無言でそれを語っているようにも思える。 「もう、ちゃちな理由は必要ないですよ。沢田綱吉。」 骸が俺の心を読んだように言う。 「君を手に入れるという、目標が出来ましたからね。」 クフフフフ。 骸が笑う。 ぺろりと俺の首をなめる。 「どういう意味だよそれ!うわっ、やめろ!!」 押さえつけられていない方の手で骸を振り払おうとして、気がつく。 何かに空いているはずの腕を握られている。 でも、骸じゃない。 骨張って大きくて整った、きれいな手。 「ねえ、ここ、どこ?なんで君がいるの?」 「ひ、ヒバリさん?」 浮かび上がる姿は、夢の中なのにいつもの学ラン。 「クハハハ、もう一人、僕のことを考え過ぎている人間がいたみたいですね。 それとも、沢田綱吉のことを考えていたのでしょうか?」 骸が高らかに、いじわるに笑う。 「沢田綱吉。ここでは契約は成立しません。夢の中ですからね。 近いうちに、現実の世界でお会いしましょう。」 押さえつけられていた手が離される。 「さあ、雲雀恭弥、一戦交えますか。良い暇つぶしにはなりそうです。」 「どこでもいいや。君がかみ殺せるならね。」 「え、ええ?ヒバリさん!、骸!」 ぐほっ 俺の意識はそこで急に現実に引き戻された。 目を開くと、腹の上に重たい一発を決めた、リボーンが見えた。 「夜中にうるせえぞ。」 どうやら、うなされて声を上げていたらしい。 こんなの、うなされもするよ。 ため息が出る。 骸の本当の気持ちは、夢の向こうに持って行かれたままだ。 それにしても・・・・ ヒバリさんが握っていた方の手には、何故かうっすらと跡がついている。 自分で握っていたのではない。跡は俺の手より一回り大きいのだ。 それを見て俺は、不安で、そのくせ穏やかな気持ちがするのを不思議に思った。 PR |
カレンダー
フリーエリア
最新CM
最新TB
ブログ内検索
|